松尾清貴著 『偏差値70の野球部』 全4巻

松尾清貴著 『偏差値70の野球部』 全4巻
松尾清貴著 『偏差値70の野球部』 全4巻
巷に溢れている“高校野球”モノ。

この本も、ジャンル分けすれば

間違いなくそこに含まれるわけで…。

『もしドラ』も読んだし

『1985年の奇跡』って五十嵐貴久の秀作もあったし

半沢直樹で一躍有名になった池井戸潤は

『ルーズヴェルト・ゲーム』で社会人野球の悲哀を描いたし。

でも、それらは皆、この本に比べれば、まっとうな野球小説。

今まで常識と思っていた野球理論が、根底から覆されます!

そもそも第一巻『難関合格編』では

野球シーンが殆どありません。

リトル時代から天才ぶりを発揮していた

主人公・新真之介(あらた・しんのすけ)が

あまりのワンマンゆえに

中学野球で干されて自主トレの日々

(それでも野球を捨てない所が、ホント野球バカ)

高校進学にあたって野球推薦も取れずに

間違って受験した高校は高校野球の名門ではなく

東大合格者数全国一の名門違い。

確かに受験勉強は持ち前のド根性で励んでましたけど

筋金入りの野球少年が

そんな超々エリート校に受かってしまうってのは

小説ならではのご都合主義ですが…。

でも、受かってくれなきゃ始まらない。

いよいよここからが本題。

グラウンドの使用権を巡って

こともあろうに“映画研究会”との試合に敗れたダメダメ野球部が

映研会長の天才少女“ヒカルさん”の

物理学の法則に則った、前代未聞、驚天動地の

打撃理論で県大会を快進撃…という展開になって行きます。

物理学の法則に則った打撃理論とは?

肩口で構えてダウンスイングする普通の打法では

放物運動するボールの軌跡に乗せるのは難しく

従ってバットには滅多に当たらない。

ならば

ボールの軌道上でバットを円運動させて向心衝突させれば

ボールは高い確率で前に飛ぶ。

しかも、ピッチャーの投げたボールが速ければ速いほど

作用反作用の法則に従って遠くへ飛ぶ。

物理学的に導き出した“ 等速円運動打法 ”。

腰の高さで水平に構えたバットを後ろに引き

円を描くように前に振り出す。

「居合切り」のような感じになるんでしょうか?

是非、この目で見てみたいものです。

どっかの高校で取り入れてないかなあ…

とりあえず4冊で一応の締めくくりとなりますが

最後のシーンでは

新入生の女の子が、真之介の

「物理法則に適っていない気持ち悪い投球フォームを改造するため」

に、マネージャー希望者として登場します。

真之介も、まだ2年になったばかり。

続く“投球理論編”を心待ちにしています。


同じカテゴリー(本のハナシ)の記事

この記事へのコメント
我が家もその本読みました♪
Posted by 土屋 at 2014年03月31日 05:22
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
松尾清貴著 『偏差値70の野球部』 全4巻
    コメント(1)